2018年11月12日
海への思い
2018年11月12日(日)
しばらくご無沙汰していました。思い出したように、少し書きます。
スェーデン人学習者の指摘です。
「日本人の海に対するイメージは、魚が獲れる豊かな場であるとともに、津波が来る恐ろしい場所でもあるんでしょう。でも、スェーデン人に、そのイメージはまったくありませんよ」
「じゃあ、スェーデン人の海に対するイメージは?」
「遊びの場ですよ。スェーデン人は、ヨットが大好きで、夏には泳いだりセーリングをしたりします。海は、穏やかで、親しみを感じているんです」
日本人とスェーデン人の文化的な違いを鮮明に感じさせる話として、たいへん印象的でした。
しばらくご無沙汰していました。思い出したように、少し書きます。
スェーデン人学習者の指摘です。
「日本人の海に対するイメージは、魚が獲れる豊かな場であるとともに、津波が来る恐ろしい場所でもあるんでしょう。でも、スェーデン人に、そのイメージはまったくありませんよ」
「じゃあ、スェーデン人の海に対するイメージは?」
「遊びの場ですよ。スェーデン人は、ヨットが大好きで、夏には泳いだりセーリングをしたりします。海は、穏やかで、親しみを感じているんです」
日本人とスェーデン人の文化的な違いを鮮明に感じさせる話として、たいへん印象的でした。
タグ :日本人とスェーデン人海への思い
2018年10月28日
子どもは父親を選ぶか
2018年10月28日(日)
フランス人学習者の話。
フランスでは、「結婚」が減っていて、今やパートナーとして暮らすカップルが多いそうです。別れるときに、面倒が少ないのがよいのだそうな。そして、子どもがいる場合、父親か母親かが引き取るわけですが、子どもは父親を選ぶ場合が多いそうです。「子どもにとっては、父親のほうがいいもんね」とのこと。
この話は、フランスでは男性も家事その他を対等にするのが当然の社会になっているという話の流れでのこと。日本の男性としては思うところの多い話です。
フランス人学習者の話。
フランスでは、「結婚」が減っていて、今やパートナーとして暮らすカップルが多いそうです。別れるときに、面倒が少ないのがよいのだそうな。そして、子どもがいる場合、父親か母親かが引き取るわけですが、子どもは父親を選ぶ場合が多いそうです。「子どもにとっては、父親のほうがいいもんね」とのこと。
この話は、フランスでは男性も家事その他を対等にするのが当然の社会になっているという話の流れでのこと。日本の男性としては思うところの多い話です。
2018年10月20日
よろず相談会(再掲)
2018年10月20日(土)
「日本語教育」よろず相談会(再掲)
日時 2018年11月1日(木) 午前9時~
場所 異文化教育研修所 有隣館 (鹿児島市荒田1-2-3、二中通り・甲南中学校そば)
相談内容 身近に日本語を勉強したい外国人がいる。外国人を受け入れる際に考えるべきことを知りたい。日本語教師に興味がある、なりたい。等
申込み・問い合わせ 電話/ファックス 099-255-3519
「日本語教育」よろず相談会(再掲)
日時 2018年11月1日(木) 午前9時~
場所 異文化教育研修所 有隣館 (鹿児島市荒田1-2-3、二中通り・甲南中学校そば)
相談内容 身近に日本語を勉強したい外国人がいる。外国人を受け入れる際に考えるべきことを知りたい。日本語教師に興味がある、なりたい。等
申込み・問い合わせ 電話/ファックス 099-255-3519
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2018年10月20日
逆の立場を経験する
2018年10月20日(土)
ベトナム語では、「砂糖」と「道」が同じ単語なのだそうです。「ドゥーン」というような発音。声調のある言語なのですが、その声調まで同じ。当然、例えば「ドゥーンを入れる」「ドゥーンを歩く」のように、文脈によって意味がわかるわけです。日本語は同音異義語が多いことで知られていますが、逆の立場を経験すると、面倒くさい気持ちがよくわかります。
ちなみに、タイ語の「日本人」は「コン・ジプン」というような発音なのですが、「コン・イプン」と言っているように聞こえるときもあります。聞けば、どちらでも同じこと。日本語母語話者のほとんどは、例えば「バス」という外来語に象徴されるように、英語の「s」と「th」が聞き分けられませんが、「聞き分けられるのに意味が同じ」という逆の体験をする貴重な機会でした。
何事も、相手と同じような経験ができると、相手の気持ちが実感として理解できるものです。
ベトナム語では、「砂糖」と「道」が同じ単語なのだそうです。「ドゥーン」というような発音。声調のある言語なのですが、その声調まで同じ。当然、例えば「ドゥーンを入れる」「ドゥーンを歩く」のように、文脈によって意味がわかるわけです。日本語は同音異義語が多いことで知られていますが、逆の立場を経験すると、面倒くさい気持ちがよくわかります。
ちなみに、タイ語の「日本人」は「コン・ジプン」というような発音なのですが、「コン・イプン」と言っているように聞こえるときもあります。聞けば、どちらでも同じこと。日本語母語話者のほとんどは、例えば「バス」という外来語に象徴されるように、英語の「s」と「th」が聞き分けられませんが、「聞き分けられるのに意味が同じ」という逆の体験をする貴重な機会でした。
何事も、相手と同じような経験ができると、相手の気持ちが実感として理解できるものです。
2018年10月18日
ゲームと文化
2018年10月18日(木)
国際交流協会が主催する講座が、夜の部はALTで占められてしまっています。在住者対象という趣旨からすると、長期に住む人が定員から溢れて入れなかったのは悩みどころですが、すべての参加者がきわめて高い学習意欲を持って受講していることは確かです。
いわゆる「英語圏」の人たちの授業に、練習活動としてのゲームを取り入れた場合、ルールを理解し、戦略を考え、より楽しもうとする方向に即座に流れます。背景には、やはり「文化」があると思っています。別な文化の学習者では、「楽しむ」ことと「学ぶ」ことがうまく合致させられない場合もあります。
今日の授業にも、それが如実に表れたようで、大いに楽しんで、かつ日本語の習得に結びつけてゆく様子は、心強い限りです。
国際交流協会が主催する講座が、夜の部はALTで占められてしまっています。在住者対象という趣旨からすると、長期に住む人が定員から溢れて入れなかったのは悩みどころですが、すべての参加者がきわめて高い学習意欲を持って受講していることは確かです。
いわゆる「英語圏」の人たちの授業に、練習活動としてのゲームを取り入れた場合、ルールを理解し、戦略を考え、より楽しもうとする方向に即座に流れます。背景には、やはり「文化」があると思っています。別な文化の学習者では、「楽しむ」ことと「学ぶ」ことがうまく合致させられない場合もあります。
今日の授業にも、それが如実に表れたようで、大いに楽しんで、かつ日本語の習得に結びつけてゆく様子は、心強い限りです。
2018年10月18日
女性の社会進出と母親の知見
2018年10月18日(木)
中国人学習者が多い授業で、「今までで一番多く話した相手はだれ」という話題をしていたところ、一番は母親。さらにその内容を聞いてみると、想像以上に「立派な母親」が多い印象。日本の母親と娘がここまで「社会的な」会話をするのか、私にはわからず。ただ、「女性の社会進出の度合い」と「母親の発言の内容」は、相当に関連深いのでは、と気づいた思いでした。
中国人学習者が多い授業で、「今までで一番多く話した相手はだれ」という話題をしていたところ、一番は母親。さらにその内容を聞いてみると、想像以上に「立派な母親」が多い印象。日本の母親と娘がここまで「社会的な」会話をするのか、私にはわからず。ただ、「女性の社会進出の度合い」と「母親の発言の内容」は、相当に関連深いのでは、と気づいた思いでした。
2018年10月17日
「母語の干渉」(ベトナム語版)
2018年10月17日(火)
ベトナム人学習者との会話。
「今日、朝ごはんを食べましたか。」「いいえ、食べませんでした。」「あっ、そうですか。じゃあ、昼ごはんは。」「10時ごろ、食べました。」「朝の10時ですよね。」「そうですよ。」「???」
よくよく聞いてみると、午前10時ごろにとった食事は、ベトナム語だと「昼ごはん」に相当する語を使うのだそうです。しかし、日本語では、「朝10時ごろ、昼ごはんを食べました」という文は、「誤用」だと感じられます。まして、その日の最初の食事ということになると、絶対「朝ごはん」。
文化が絡む「母語の干渉」の例として、とてもおもしろい発見でした。
ベトナム人学習者との会話。
「今日、朝ごはんを食べましたか。」「いいえ、食べませんでした。」「あっ、そうですか。じゃあ、昼ごはんは。」「10時ごろ、食べました。」「朝の10時ですよね。」「そうですよ。」「???」
よくよく聞いてみると、午前10時ごろにとった食事は、ベトナム語だと「昼ごはん」に相当する語を使うのだそうです。しかし、日本語では、「朝10時ごろ、昼ごはんを食べました」という文は、「誤用」だと感じられます。まして、その日の最初の食事ということになると、絶対「朝ごはん」。
文化が絡む「母語の干渉」の例として、とてもおもしろい発見でした。
2018年10月17日
ベンジャミンの危機
2018年10月16日(火)
有隣館で、開設以来26年間も命脈を保ってきたベンジャミンの葉が、チャドクガの幼虫と思われる毛虫に食べられて、ショック。事務所開きのお祝いに小さい鉢でもらったもので、植え替えをしながら共に時を過ごしてきただけに、とても愛着を持っている木なのです。移転したばかりでの出来事で、場所との相性が心配です。
2018年10月08日
母子生活支援施設がある社会
2018年10月8日(月)
インドネシア人学習者に母子生活支援施設の話をしたところ、「どうしてそんな施設があるの」と素朴に聞き返されてしまいました。
母子生活支援施設は、18歳以下の子どもがいる場合、母親と子どもがいっしょに住める公的支援の寮です。そこで働いている人たちは、子どもたちが健全な生活を送れるよう懸命に取り組んでいるし、私としては日本の福利厚生の例という文脈の話だったのです。しかし、つぶらな眼で、本当にわからないというふうに「その施設の意味は」と問われてみると、人々が貧しさを分け合い、助け合ってゆるやかに生きている社会と、そういう施設がないと母親と子供とで生きていけない日本の社会との違いというものをしみじみと実感しました。
インドネシア人学習者に母子生活支援施設の話をしたところ、「どうしてそんな施設があるの」と素朴に聞き返されてしまいました。
母子生活支援施設は、18歳以下の子どもがいる場合、母親と子どもがいっしょに住める公的支援の寮です。そこで働いている人たちは、子どもたちが健全な生活を送れるよう懸命に取り組んでいるし、私としては日本の福利厚生の例という文脈の話だったのです。しかし、つぶらな眼で、本当にわからないというふうに「その施設の意味は」と問われてみると、人々が貧しさを分け合い、助け合ってゆるやかに生きている社会と、そういう施設がないと母親と子供とで生きていけない日本の社会との違いというものをしみじみと実感しました。
タグ :母子生活支援施設
2018年10月03日
ソロモン諸島の東隣にある国は?
2018年10月3日(水)
最近、大学の留学生に、オセアニア地域からの人が多くなっています。
講師控え室に、その辺の拡大地図が貼ってあって、「ソロモン諸島とツバルは隣り合っている、〇か✕か」のようなクイズを耳にしました。この地図を見ると、あらためてこの辺の地理に疎いことを認識し、また、興味を引かれます。
私は、マーシャル諸島共和国、ミクロネシア連邦、キリバス共和国、ソロモン諸島、フィジー諸島共和国などなど、これまでにほとんどの国の学習者に教える機会があったのですが、各国、身体的特徴や文化などがとても違っていて、「南太平洋の島々」とくくって認識できずにいる自分を反省することがあります。
タグ :南太平洋の島々
2018年09月30日
よろず相談会
「日本語教育」よろず相談会
日時 2018年11月1日(木) 午前9時~
場所 異文化教育研修所 有隣館 (鹿児島市荒田1-2-3、二中通り・甲南中学校そば)
相談内容 身近に日本語を勉強したい外国人がいる。外国人を受け入れる際に考えるべきことを知りたい。日本語教師に興味がある、なりたい。等
申込み・問い合わせ 電話/ファックス 099-255-3519
2018年09月29日
EUの車検証
2018年9月29日(土)
EUの中は、往来や売買などすべてが自由なので、当然、車の売買も国を超えて日常的に行われます。フランス人学習者が言うには、EUにも車検のようなものがあって、「車検証」もあるのだとか。それが、EU加盟国すべての24か国語で書いてあるそうです。
「だから、すごく厚いんだよね」
パスポートを見せてもらったこともあるのですが、確かにすべての内容が各言語で記してあります。もう20年以上も前に、「多言語主義」の課題が論じられたことがありましたが、実際にその現実に直面すると、膨大なコストを想像して圧倒されてしまいます。それでも、生活の中に浸透してしまえば、平気なのでしょうか。
EUの中は、往来や売買などすべてが自由なので、当然、車の売買も国を超えて日常的に行われます。フランス人学習者が言うには、EUにも車検のようなものがあって、「車検証」もあるのだとか。それが、EU加盟国すべての24か国語で書いてあるそうです。
「だから、すごく厚いんだよね」
パスポートを見せてもらったこともあるのですが、確かにすべての内容が各言語で記してあります。もう20年以上も前に、「多言語主義」の課題が論じられたことがありましたが、実際にその現実に直面すると、膨大なコストを想像して圧倒されてしまいます。それでも、生活の中に浸透してしまえば、平気なのでしょうか。
2018年09月20日
透明すぎる社会
2018年9月20日(木)
きっかけは、政治家のお金の出入りが、日本ではきわめて不透明だという話でした。スウェーデンでは、どんな小さなお金の出入りにも領収書が必要で、しかもそれらがすべて公開されているので、政治家一人一人の収支が完全に把握できる仕組みになっています。
スウェーデン人学習者の話によると、しかし、実は、一般の人も事情は同じだそうです。例えば日本では高額納税者が発表されるぐらいで、一人一人の収入や納税額などは他人にはわかりません。一方、スウェーデンでは、すべての人の納税額が、インターネットなどで簡単に見られるのだとか。さらには、誕生日のほか、既婚か未婚かとか家族関係など、すべての人の情報が誰にでも公開されている「透明さ」なのだそうです。つまり、日本で言う「個人情報」がまったく存在しない社会なのです。
こういう社会の利点は、不正が生じにくいこと。ああいう暮らしぶりの人が、こういう納税額ということはないだろう、みたいな目がお互いに働くわけで、不信感や不公平感が生まれにくいわけです。独身と偽って相手をだますこともできない。政府や行政に対しても、お互いに対しても、信頼が持てる社会というわけです。
一方、詐欺がしやすいのでは、という問いに対する答えは、”Yes.”。初めて会った人でも、既知の間柄のように入り込みやすいのだとか。情報を容易に集められるので、そういうことになる。したがって、スウェーデンでは、詐欺に対する警戒感が強いとのことでした。もっとも、日本のような「秘密社会」でも、振り込め詐欺が横行していますけどね。
きっかけは、政治家のお金の出入りが、日本ではきわめて不透明だという話でした。スウェーデンでは、どんな小さなお金の出入りにも領収書が必要で、しかもそれらがすべて公開されているので、政治家一人一人の収支が完全に把握できる仕組みになっています。
スウェーデン人学習者の話によると、しかし、実は、一般の人も事情は同じだそうです。例えば日本では高額納税者が発表されるぐらいで、一人一人の収入や納税額などは他人にはわかりません。一方、スウェーデンでは、すべての人の納税額が、インターネットなどで簡単に見られるのだとか。さらには、誕生日のほか、既婚か未婚かとか家族関係など、すべての人の情報が誰にでも公開されている「透明さ」なのだそうです。つまり、日本で言う「個人情報」がまったく存在しない社会なのです。
こういう社会の利点は、不正が生じにくいこと。ああいう暮らしぶりの人が、こういう納税額ということはないだろう、みたいな目がお互いに働くわけで、不信感や不公平感が生まれにくいわけです。独身と偽って相手をだますこともできない。政府や行政に対しても、お互いに対しても、信頼が持てる社会というわけです。
一方、詐欺がしやすいのでは、という問いに対する答えは、”Yes.”。初めて会った人でも、既知の間柄のように入り込みやすいのだとか。情報を容易に集められるので、そういうことになる。したがって、スウェーデンでは、詐欺に対する警戒感が強いとのことでした。もっとも、日本のような「秘密社会」でも、振り込め詐欺が横行していますけどね。
2018年09月15日
牛に手伝ってもらう料理(インドネシア)
2018年9月15日(土)
世界の珍しい料理を聞く機会が一般の方よりはるかに多いと思われるのですが、今日は、そんな私でさえ、けっこう「へえー」な料理を紹介します。
舞台は、インドネシアのスマトラ島。その北部の中心都市に、メダンがあります。その辺りに多く住んでいるのがバタック族で、さらに、そのバタック族の中にもさまざまな文化グループがあり、これは「カロ」バタックの村で食べられている料理です。
それで、簡単に言うと、牛の胃袋の中身を使う料理です。名前は「テリテス」と言います。牛を解体して牛肉その他を食べるのは、多くの国々でなされていることですが、当然、胃袋もあるわけです。牛は草食動物ですから、(ここがポイント)、胃袋の中身は緑色のどろどろ状態になってあります。(ライオンの胃袋の中身は絶対に食べたくありません。)その中身を絞って取り出した液体をだしにして、牛肉や野菜を煮込んで出来上がり。
この料理を説明してくれたインドネシア人学習者Sさんにとっては、故郷に帰ったときには「食べたくてたまらない、ちょっと苦味があっておいしい」料理なのだそうです。私のほうは、最初に聞いたときは、正直ちょっと引いていたのですが、説明が加われば加わるほど、のちには食べたくなってきました。私の理解を整理してみると、要は、牛に手伝ってもらって草から「だし」をとる料理ということなのでは。
ちなみに、インドネシアはたいへんな多民族多文化国家で、この「テリテス」も、ほとんどのインドネシア人が知らないとか。同じバタック族でさえも、「カロ」でなければ知らない料理だそうです。
世界の珍しい料理を聞く機会が一般の方よりはるかに多いと思われるのですが、今日は、そんな私でさえ、けっこう「へえー」な料理を紹介します。
舞台は、インドネシアのスマトラ島。その北部の中心都市に、メダンがあります。その辺りに多く住んでいるのがバタック族で、さらに、そのバタック族の中にもさまざまな文化グループがあり、これは「カロ」バタックの村で食べられている料理です。
それで、簡単に言うと、牛の胃袋の中身を使う料理です。名前は「テリテス」と言います。牛を解体して牛肉その他を食べるのは、多くの国々でなされていることですが、当然、胃袋もあるわけです。牛は草食動物ですから、(ここがポイント)、胃袋の中身は緑色のどろどろ状態になってあります。(ライオンの胃袋の中身は絶対に食べたくありません。)その中身を絞って取り出した液体をだしにして、牛肉や野菜を煮込んで出来上がり。
この料理を説明してくれたインドネシア人学習者Sさんにとっては、故郷に帰ったときには「食べたくてたまらない、ちょっと苦味があっておいしい」料理なのだそうです。私のほうは、最初に聞いたときは、正直ちょっと引いていたのですが、説明が加われば加わるほど、のちには食べたくなってきました。私の理解を整理してみると、要は、牛に手伝ってもらって草から「だし」をとる料理ということなのでは。
ちなみに、インドネシアはたいへんな多民族多文化国家で、この「テリテス」も、ほとんどのインドネシア人が知らないとか。同じバタック族でさえも、「カロ」でなければ知らない料理だそうです。
2018年09月12日
人の家を訪ねる(各国事情)
2018年9月12日(水)
県の国際交流協会が主催する「日本語・日本文化理解講座」の実質的な授業が、今日から始まりました。
今日の授業で最も盛り上がったのが、日本ではアポなしで人の家を訪問してはいけない話。確かに、「友人」でも、いきなりの訪問はかなりハードルが高い。各国の事情について、学習者たちの意見は以下でした。
突然、訪問しても、大丈夫 韓国、中国、フィリピン、マレーシア、インド
だいたい大丈夫だが、一応は連絡してから(「今日、行くよ」でも大丈夫) ブルガリア、ポーランド
「今日、行くよ」でも大丈夫だが、まったくの突然の訪問は、なし カナダ
私の興味を引いたのは、タイ。基本的に、家に訪問することはなく、会うなら外で。訪ねて来られると、料理やら後片付けやらが大変だから。日本も、この方向に進んでいる感じがしますね。
県の国際交流協会が主催する「日本語・日本文化理解講座」の実質的な授業が、今日から始まりました。
今日の授業で最も盛り上がったのが、日本ではアポなしで人の家を訪問してはいけない話。確かに、「友人」でも、いきなりの訪問はかなりハードルが高い。各国の事情について、学習者たちの意見は以下でした。
突然、訪問しても、大丈夫 韓国、中国、フィリピン、マレーシア、インド
だいたい大丈夫だが、一応は連絡してから(「今日、行くよ」でも大丈夫) ブルガリア、ポーランド
「今日、行くよ」でも大丈夫だが、まったくの突然の訪問は、なし カナダ
私の興味を引いたのは、タイ。基本的に、家に訪問することはなく、会うなら外で。訪ねて来られると、料理やら後片付けやらが大変だから。日本も、この方向に進んでいる感じがしますね。
2018年09月12日
「I'm fine」は、危ない
2018年9月11日(火)
日本で使われている英語の教科書に変な英語が載っているのはよく聞く話なのですが、今回の話はけっこう重大な感じがしました。それは、“How are you?”に対して”I'm fine. Thank you.”と答える、いかにもよくあるやりとり。
若いイギリス人英語母語話者によると、この会話で最も思い浮かぶ場面は、付き合っている男女がけんかをして、男が“How are you?”と聞くと、女が怒った調子で”I'm fine.”と答えるパターンなのだとか。つまり、”I'm fine.”と言われると、怒っていると感じるそうです。ちなみに、一般的な会話では、”I'm good.”と答える場合が多い。
同じような話をアメリカ人英語母語話者からも聞いたような記憶があります。こんな大切な話、ネットでもっと拡散したほうがいいと思うのですが…。
日本で使われている英語の教科書に変な英語が載っているのはよく聞く話なのですが、今回の話はけっこう重大な感じがしました。それは、“How are you?”に対して”I'm fine. Thank you.”と答える、いかにもよくあるやりとり。
若いイギリス人英語母語話者によると、この会話で最も思い浮かぶ場面は、付き合っている男女がけんかをして、男が“How are you?”と聞くと、女が怒った調子で”I'm fine.”と答えるパターンなのだとか。つまり、”I'm fine.”と言われると、怒っていると感じるそうです。ちなみに、一般的な会話では、”I'm good.”と答える場合が多い。
同じような話をアメリカ人英語母語話者からも聞いたような記憶があります。こんな大切な話、ネットでもっと拡散したほうがいいと思うのですが…。
タグ :危ない英会話
2018年09月04日
盗難車の「その先」
2018年9月4日(火)
フランス人学習者のGさん 「フランスでは、車の盗難が多い。ただ、今ごろは、GPSが付けてあるので、盗まれてもどこにあるかを知ることができる」
上迫 「じゃあ、取り戻すことができますね」
Gさん 「いや。多くの車がロシアに持って行かれる。ロシアに取りに行くのは、怖すぎるから、あきらめるしかない」
ロシアの中を走っている自分の車を、フランスにいてGPSで追跡して見ている状態を想像したら、変な「可笑しさ」にとらわれてしまいました。それと、ロシアの「或る部分」は、本当に怖いらしい。
フランス人学習者のGさん 「フランスでは、車の盗難が多い。ただ、今ごろは、GPSが付けてあるので、盗まれてもどこにあるかを知ることができる」
上迫 「じゃあ、取り戻すことができますね」
Gさん 「いや。多くの車がロシアに持って行かれる。ロシアに取りに行くのは、怖すぎるから、あきらめるしかない」
ロシアの中を走っている自分の車を、フランスにいてGPSで追跡して見ている状態を想像したら、変な「可笑しさ」にとらわれてしまいました。それと、ロシアの「或る部分」は、本当に怖いらしい。
2018年09月01日
引っ越しました!
2018年9月1日(土)
今週の水曜日、つまり8月29日に、有隣館の引っ越しをしました。12人ですることができ、午前9時に始めて11時半ごろにはおおむね先が見えるという、想定外の速い展開で、感謝感謝です。お手伝いいただいた方々、ほんとうにありがとうございました。
新しい事務所で、3日間が過ぎ、窓から空と雲が見えることに感動しつつ仕事をしています。この26年間を清算し、人生の一大転機とさえ感じる大きな物事でしたが、まずは、ある程度のかっこうがついて、ひと安心です。スペースが以前より狭くなっているので、追加で捨てる物も含め、しばらくは片付けの日々が続きそうです。
2018年08月26日
「有隣館」が引っ越します
2018年8月26日(日)
今月は、ブログの更新があまりできませんでした。依然、おもしろいネタはたくさんあったのに、こちらの作業に気が回らなくて、残念でした。
理由は、有隣館のお引っ越しです。現在の上之園町のビルに隣接してビルが建ち、日当たりと風通しをまったく失ってしまったことから、決断しました。移転先は、荒田1丁目です。現在の場所から歩いて4,5分と近く、来る人たちにとってさほど条件が変わらないのが、何よりです。
新しい場所で、気分一新。また、次の段階の物事に向かって進んでゆきたい、という気持ちでいっぱいです。
2018年08月11日
「リヒテンシュタイン公国」を知る
2018年8月11日(土)
今日は、フランス人学習者から聞いた話。
とにかくよく旅行している人で、さまざまな場所の話が出てくるのですが、一番したがった話題が「リヒテンシュタイン公国」についてです。とにかく「とてもおもしろくない国」らしいのです。
リヒテンシュタインは、スイスとオーストリアに囲まれた小国で、私の知識は、「一人当たりの国民所得が高い国」という程度のものでした。そこを訪ねた彼にとって、「おもしろくない」という基準は、美術館やらコンサートやら美しい街並みやら、要は文化的な楽しみが何もないということのようでした。街中にはひたすら銀行が立ち並び、おしゃれな店やレストランもなく、第一、歩いている人の服装からして、いかにもビジネスマンらしき人だけだったらしいのです。味もそっけもない街ということでしょうか。そりゃあ、パリと比べたらねえ。
当然ですが、内情を知らない国というのは数知れずあるもので、行ったことがある人から聞く「その人なりの印象」というものは、いつもおもしろく聞きます。とは言え、「リヒテンシュタイン城」という城もあるのだし、リヒテンシュタイン人が誇りとするリヒテンシュタインの文化もあるのでしょうから。話を聞きながら想像を広げて、「リヒテンシュタイン公国」やそこに生きる人々がちょっと身近になっただけでも、楽しい夜でした。
今日は、フランス人学習者から聞いた話。
とにかくよく旅行している人で、さまざまな場所の話が出てくるのですが、一番したがった話題が「リヒテンシュタイン公国」についてです。とにかく「とてもおもしろくない国」らしいのです。
リヒテンシュタインは、スイスとオーストリアに囲まれた小国で、私の知識は、「一人当たりの国民所得が高い国」という程度のものでした。そこを訪ねた彼にとって、「おもしろくない」という基準は、美術館やらコンサートやら美しい街並みやら、要は文化的な楽しみが何もないということのようでした。街中にはひたすら銀行が立ち並び、おしゃれな店やレストランもなく、第一、歩いている人の服装からして、いかにもビジネスマンらしき人だけだったらしいのです。味もそっけもない街ということでしょうか。そりゃあ、パリと比べたらねえ。
当然ですが、内情を知らない国というのは数知れずあるもので、行ったことがある人から聞く「その人なりの印象」というものは、いつもおもしろく聞きます。とは言え、「リヒテンシュタイン城」という城もあるのだし、リヒテンシュタイン人が誇りとするリヒテンシュタインの文化もあるのでしょうから。話を聞きながら想像を広げて、「リヒテンシュタイン公国」やそこに生きる人々がちょっと身近になっただけでも、楽しい夜でした。
タグ :リヒテンシュタイン公国銀行の街